診療案内
コンタクトレンズと目の病気
コンタクトレンズと目の病気
コンタクトレンズの使用は、目に色々な病気を引き起こします。多くの場合、コンタクトレンズの不適切な使用が原因です。中には失明につながるようなものも少なくありません。装用時間を守る、コンタクトレンズの洗浄を正しく行う、定期検診を受けるといったことに注意しましょう。
コンタクトレンズによる目の病気には主に以下のようなものがあります。
1、角膜感染症
2、アレルギー性結膜炎
3、点状表層角膜症
4、角膜内皮細胞障害(かくまくないひさいぼうしょうがい)
1、 角膜感染症
黒目(角膜)に細菌やアメーバなどの微生物が侵入して、繁殖した状態です。重症の角膜感染症の原因として多いものは、緑膿菌(りょくのうきん)とアカントアメーバの2つで、いずれも失明するリスクがあります。
では、なぜコンタクトを使うと黒目(角膜)に感染を起こすのでしょうか?微生物は目の表面、手や指、水道水の中など、どこにでも住んでいます。健康な黒目(角膜)にはバリアがあり、それらの侵入を防いでくれています。コンタクトレンズを装用することで、そのバリアが破られて感染を起こしてしまうのです。特に不適切な使用をしている場合はリスクが高くなります。
充血する、痛い、光を見るとまぶしい、黒目に白い斑点が出来ている・・・といった症状があれば、すぐにコンタクトレンズの装用を中止して、できるだけ早く眼科を受診するようにしてください。
2、アレルギー性結膜炎
コンタクトレンズに付着した汚れや、コンタクトレンズによる刺激がアレルギー性結膜炎を引き起こします。
治療については、まず痒みなどの症状がある場合はコンタクトの使用を控えることをおすすめします。コンタクトレンズが粘膜を刺激して炎症がよりひどくなるためです。目をこすることで角膜を傷つけ、角膜感染症を起こすリスクも増えます。
市販の目薬は痒みを抑える効果が弱いものが多く、あまりおススメできません。当院では症状に応じて適切な目薬を処方し、コンタクトレンズの選び方、ケアの方法など総合的にアドバイスします。
3、 点状表層角膜症(黒目のキズ)
黒目(角膜)に細かい傷ができた状態です。コンタクトレンズの長時間装用や市販のカラーコンタクトレンズの使用などで、黒目(角膜)が酸素不足になることで生じます。ドライアイがある場合はさらに生じやすくなります。
目がゴロゴロすることもありますが、自覚症状がないこともあります。特にソフトコンタクトレンズでは症状が出にくいため危険です。放置しておくと、角膜感染症などにつながるため、症状がなくても治療する必要があります。
治療は、コンタクトレンズを中止した上で、ヒアルロン酸の目薬などを用います。再発を防ぐために、ドライアイの目薬をする、コンタクトレンズの種類を交換する、装用時間を短くするなどの対策をします。
4、 角膜内皮細胞障害(かくまくないひさいぼうしょうがい)
コンタクトレンズ装用によって、黒目(角膜)に酸素が行き届かなくなり、黒目(角膜)の細胞が死んでしまいます。長時間装用を繰り返したり、酸素透過性の低いカラーコンタクトレンズなどを使うことで起こります。
特に、角膜内皮細胞(ないひさいぼう)と呼ばれる細胞は黒目(角膜)の透明性を維持する働きを担っており、この細胞がダメージを受けることを角膜内皮細胞障害と呼びます。角膜内皮細胞は再生能力がなく、数が減っていても自覚症状が出ないといった厄介な性質を持っています。この細胞の数が減ってしまうと、黒目が濁ってきて視力が出なくなりますが、その時には手遅れです。
酸素透過性が良いシリコンハイドロゲルと呼ばれる素材でできたコンタクトレンズを選び、装用時間を守ることが大切です。
院長より一言
コンタクトレンズによる目のトラブルは、自覚症状に乏しいものも多く、悪化すれば失明につながるものもあります。まずは、眼科で自分の目に合ったコンタクトレンズを選ぶことが最初の一歩です。そして、目に少しでも異常を感じたら、なるべく早く眼科を受診するようにしましょう。
本八幡の眼科 津田眼科医院