GUIDE

診療案内

目の病気

糖尿病と目の病気

糖尿病と目の病気

糖尿病によって高い血糖値の状態が続くと、体中の血管がもろくなってしまい、体のあちこちに障害が起きてきます。糖尿病は目にも以下のような病気を引き起こします。

‐糖尿病網膜症:眼底出血、黄斑浮腫、網膜剥離などが眼底に生じる
‐角膜障害:黒目に傷ができたり、感染が起きる
白内障:水晶体が濁り、視力が出なくなる
‐血管新生緑内障:難治性の緑内障になる
‐視神経障害:視神経が障害される

ここでは、主に糖尿病網膜症についてご説明します。

・糖尿病網膜症とは?

眼底には「網膜」という光を感じるための膜(スクリーン)があります。糖尿病が進行すると、この網膜の血管にダメージを与えます。そして、弱くなった血管から出血が起きたり、血管を詰まらせたりします。そのため、網膜の血液の流れが悪くなり、栄養や酸素が行きわたらなくなります。

そのまま放置しておくと新生血管という脆い血管が生えてきて目の中の硝子体という部分に大きな出血を起こしたり、増殖膜という膜が張ってきて網膜剥離を引き起こすなど失明につながるような変化が出てきます。

糖尿病網膜症は、進行の程度に応じて以下の3つのステージに分けることができます。最初は自覚症状がほとんど出ません。自覚症状が出たときには進行を食い止めることが困難なケースが少なくありません。油断せず、眼科でチェックを受けるようにしましょう。

なお、当日は眼底出血の有無を確認するために、目薬を使って散瞳検査(瞳を開く検査)が必要になります。「光がまぶしい」「ピントが合いづらい」といった症状はおおよそ4~5時間続きます。検査当日は車、バイク等の運転は避けていただくようにお願いします。また、点眼薬の効果の現れ方には個人差があり、何回か目薬を使わないと瞳が開かないこともあります。そのため、診療時間終了の1時間前(平日17時30分、土曜12時30分)までにご来院いただけますようお願い申し上げます。

1) 単純糖尿病網膜症

網膜に小さな出血や、血管から血液の成分が漏れ出して脂質が沈着することで斑点が出てきます。さらに進行すると血管が詰まることで網膜が酸素不足になりむくみが出てきます。この段階であれば、血糖のコントロールをしっかりすることで網膜症の進行を抑えることができます。

2) 前増殖糖尿病網膜症

出血の量が増え、網膜の血液の流れが悪くなって酸素不足に陥っている領域が増えていきます。この段階になると、血糖のコントロールだけでは網膜症の進行を抑えることは困難になります。レーザー治療が必要になります。この状態を治療せず放置しておくと、第3段階目へと移行して失明のリスクが上がってしまいます。

3) 増殖糖尿病網膜症

視力低下が自覚されるようになります。網膜に新生血管と呼ばれる病的な血管が生えてきます。新生血管は脆いため、容易に大出血(硝子体出血)を起こします。また新生血管をもとにして増殖膜というやっかいな膜が張ってきます。増殖膜が網膜を引っ張ることで網膜剥離になります。この段階になるとレーザーだけでは治療することは出来ず、硝子体手術と呼ばれる手術が必要です。新生血管が隅角という場所に生じることもあり、血管新生緑内障と呼ばれる難治性の緑内障を引き起こします。

※血管新生緑内障(けっかんしんせいりょくないしょう)と治療について

糖尿病網膜症が進行すると、病的な血管が生えてきます。これが隅角(ぐうかく)と呼ばれる部分に生じると、眼圧が上昇して難治性の血管新生緑内障を引き起こします。通常の緑内障とは異なり、目薬での治療は困難です。レーザー治療や抗VEGF治療、手術等で治療しますが、失明することが非常に多い疾患です。

※黄斑浮腫(おうはんふしゅ)と治療について

網膜の中心には黄斑という部分があり、糖尿病ではここに水がたまり、浮腫(むくみ)を生じることがあります。これを黄斑浮腫と呼びます。私たちはほとんどこの黄斑で物を見ていますから、大きな視力低下が起こります。

黄斑浮腫は糖尿病網膜症が軽度であっても生じることがあるので注意が必要です。黄斑浮腫に対しては、硝子体注射と呼ばれる治療があります。具体的には、浮腫(むくみ)を抑えるための薬を目の中に注射をします。高い効果が期待できる一方、注射によるリスクもゼロではないため、目の状態や患者さんのご希望を総合的に考えて判断します。

本八幡の眼科 津田眼科医院

〒272-0021
千葉県市川市八幡4-4-7 シュラインサイドビル202